生きていれば時に、つらいこと、苦しいことを経験することがあります。
そんな時、アニメや漫画の何気ない台詞や好きな歌の歌詞が勇気をくれることがあります。
あなたにもそういった経験はありませんか?
この「言葉の架け橋」ではそんな勇気や気づきを与えてくれる言葉を紹介していきます。
あなたが打ちのめされたとき、この場があなたの支えとなり、次の場所へ進むための架け橋となることを願っています。
「人は嫌なことがあったらどんどん逃げていいんだけれど、 目を逸らしているだけじゃ逃げたことにはならないんだよ」 阿良々木暦の母(猫物語 白)
「逃げる」ということに対してあなたはどういうイメージを持つでしょうか?
様々な考えがあると思いますが、「甘え」や「弱さ」といったネガティブなイメージを持つことが多いのではと思います。
では、「逃げる」ことは悪いことなのでしょうか?
私は決して悪いことではないと考えています。嫌なことや辛いことからは、どんどん逃げていいと思っています。それが自分の生命を脅かすほどのものであれば一刻も早く逃げるべきでしょう。
ただ、一つ注意点として、「逃げる」ことと「目を逸らす」ことは全くの別物であると理解する必要があります。
これらが混同しているため、「逃げる」ことに悪いイメージが付いているのではと思います。
この両者の違いを理解すれば「逃げる」ことに対するイメージを変えることができるでしょう。
一つの例え話で、その違いを見ていきましょう。
あなたが仕事で給料はいいが、仕事内容に強い不満を感じているとします。苦手なことばかりやらされているため、なかなか成果が出ず仕事が面白くありません。
この状態がしばらく続けばやる気も失せていき、仕事に行くことが辛いと感じるようになるでしょう。
この状況の場合、「逃げる」という行為は「仕事内容の異なる部署に異動する」「転職をする」という行為を指します。
異動や転職をすれば給料が下がる可能性がありますし、人間関係もリセットされ新たな職場で構築する必要があります。仕事を一から覚え直す場合もあるでしょう。
では、「目を逸らす」とはこの場合どういった行為なのでしょうか。
それは「やる気がないと分かっていて、それでも嫌々ながら続ける」ことです。
やる気がないまま嫌々続けるため、能力を向上させる努力はしないでしょう。成長しないので次第に求められる成果と自分の実力の乖離が大きくなり、さらに辛くなることも考えられます。
最悪、自分の仕事を人に押し付ける、無理やり手伝わせるなんてことにつながるかもしれません。
ただし、よほどサボらない限り、給料は今まで通りもらうことができます。
「逃げる」こととは言わば、進む道を変えることです。ただし、今まで進んできた道は一切振り返りません。
「目を逸らす」こととは、言い換えれば「見て見ぬふりをする」ことでもあります。進む道は変えず、享受できるものはするが、嫌な部分は見ないようにすることです。
いかがでしょうか?
こうしてみると、「逃げる」ということが非常に厳しいものに感じられるかもしれません。
しかし、「甘え」や「弱さ」といったイメージにつながりにくくなったのではないでしょうか。
私は「猫物語 白」を観て、この言葉を聞いたときにハッと気づかされました。
当時、毎日苦手な仕事を遅くまで続けていたのですが、この言葉を聞いて、自分が現状を変える努力をせず、ただ嫌なことから目を逸らし続けているだけなのだと気づきました。
そして、自分がどうしたいのかを考え、「逃げる」つまり「転職」する決意をしました。
あなたもどうしても嫌なことがあればどんどん逃げてください。
ただし、「逃げる」ときは中途半端では「目を逸らす」のと変わらないので、全力で「逃げる」「逃げ切る」ようにすることが大切です。